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省エネ住宅適合説明の義務化。住宅の購入への影響は?

石川麻樹

令和3年4月1日より、建築物の省エネ性能について、建築士からお施主様への説明が義務化になっているのをご存知ですか?

300㎡未満の小規模住宅、建築物の新築・増改築(10㎡以下のものは除く)に際して、建築士から省エネ性能についての説明が義務づけられました。

私は木造住宅生産体制強化地域協議会の主催している、「建築物省エネ法の説明義務に使える手法が簡易に学べる動画説明会、省エネ相談会」に参加してきました。

場所は、名古屋駅前のプライムセントラルタワーで行いました。

初めて入る場所で、説明会に参加するのは初めてだった為ドキドキしながら会場に入りました。

説明会は、木造住宅の標準的な断熱施工法の動画を見ながら、省エネ法について理解を深めるというものでした。

今回は、そこで学んだ知識を皆様に知っていただきたいと思い、コラムにまとめました。

なぜ、説明義務化になったの?

では、そもそも何故説明が義務化になったのでしょうか?

それは、設計士が建築主に省エネ基準の適否を説明することで、お客様に自ら使用する建築物の省エネ性能を高めようという気持ちを持ってもらうのがこの制度の狙いです。

背景としては、今世界では地球温暖化により、異常気象などさまざまなところで影響が出ていることにあります。

その為、日本は地球規模の温暖化を食い止めるための国際条約「パリ協定」を採択し、

省エネルギー化に取り組んでいます。

パリ協定を踏まえたCO2排出量と最終エネルギー消費量の削減目標達成のため、新築住宅における消費エネルギーの割合が一定程度あり省エネ効果が見込めるため「建築物省エネ法」ができました。

しかし、省エネ基準に適合している新築住宅は全体の約6割(平成28年)にとどまっており、エネルギー消費は増加の一途をたどっています。そのため、建築士から建築主へ省エネ性能に関する「説明義務」が取り決められました。

省エネ住宅ってなに?

省エネ住宅に求められる、省エネ性能に関する基準は2つあります。

それは「住まいの熱を快適にコントロールできること」と「住まいのエネルギーを賢く使えること」です。

家の断熱性能を上げて熱を外へ逃さず日射を防ぐことができ、室内で使用する各電化製品等のエネルギー消費量が少ない住宅のことを言います。

準その1住まいの熱を快適にコントロール

住まいの熱を快適にコントロールできることを外皮基準といい、外壁、床、屋根、天井など、住宅を囲んでいるあらゆる部分の断熱性能に関する基準になります。

冬は室内の暖かい温度を逃さず、夏は外の暑さを防ぎ、日射の影響で熱を損失せず、

家の温度を一定に保つほど評価は高くなります。

外皮性能を上げる工夫は、断熱材や高断熱窓を取り入れ、高断熱・高気密の家を作ることで

暖房や冷房が効率的に使用できるようにすることです。

基準その2:住まいのエネルギーを賢く使えること

住宅内で消費されるエネルギー量に関する基準を、一次エネルギー消費量基準といいます。

一次エネルギー消費量は、換気、冷暖房、照明、家電、給湯などの各エネルギー消費量を合計して算出し、

あらかじめ決められた「基準一次エネルギー消費量」と呼ばれる基準値以下となることが求められます。

一次エネルギー消費量を抑える工夫は、高効率空調(エアコン)や、太陽光発電、

省エネ性能が高いLED照明を使用するなど、高効率な設備を備えることで、エネルギ ーの使用量が少なくなり消費量を抑えることができます。

上記、二つの基準を満たしている住宅を「省エネ住宅」と言います。

省エネ住宅にすると何がいいの?3つのメリット

①環境・家計に優しい

高断熱・高気密・効率的な設備を備えることで、光熱費などのランニングコストを抑えることができます。

家の断熱性能が上がると、エアコンの効きが良くなり効率的に室内の温度調整ができるようになります。

その為、初期費用はかかりますが、ランニングコストは抑えることができる為、長期的にみると費用を抑えることができます。

②健康に快適に暮らせる

高気密・高断熱の家は温度差が少ない為、ヒートショックのリスクや高血圧の防止にも繋がります。

余談ですが、私は約築45年の家に住んでいます。

お風呂の床は、タイルでとても冷たく冬の時期はみな凍ながらお風呂に入るのですが、

お湯がとても熱く感じ、家族みんな悲鳴をあげて入っています。今は、まだ笑い話で済んでいますが、

もう少し先のことを考えると、とても心配になります。

また、家の断熱性が低いと温度差だけでなく、窓に結露が発生します。

その為、私の家の窓にはたくさんの水滴がついており、カーテンのカビ・ダニの発生を防ぐ為、毎日窓を拭いたり、結露対策のシールを買ってきて貼り付けたりし対策をしておりますが、とても大変です。。。

③災害時に頼りになる

太陽光発電機システムや家庭用蓄電池などを備えて省エネ住宅にすることで、停電時や災害時などもしもの時に頼りになります。

もしもの時の備えが家で蓄えておけるというのは、とても心強いですね。

ではなぜ、すべての住宅を省エネ住宅にしないの?

なぜ、説明義務のみで省エネルギー基準を満たしていなくても家が建てれるの?と不思議におもいませんか?

その理由は、より良い断熱材を使用したり、高断熱の窓を入れたり等、良いものを使用する分初期費用がかかってしまうからです。

また、設計の業務が増えてしまい建築会社に負担がかかるなど

悪影響が及ぶと考える業界の反対が根強く、住宅は義務化まで至らなかったそうです。

FJ DESIGN HOMESでの取り組みは?

実際に、FJ DESIGN HOMESでも家を建てられるお客様に建築士より説明をさせていただいております。

間取り、設備等ある程度建築の打ち合わせが決まった段階で、省エネ基準を満たしているか計算していきます。

そして、基準と計画の数値を比べられる資料を作成し、資料を元にお客様へ説明をいたします。

現段階では、省エネ住宅説明義務化で省エネ基準を満たすことは努力義務の為、省エネ住宅基準を満たしていなくても新築することは可能です。

その為、省エネ住宅基準を満たしていない場合は、どこをどのように変えると省エネ基準を満たした住宅になるのか。省エネ住宅にするために金額はいくらUPするのか。を、ご説明させて頂きます。

そして、最終的に、省エネ住宅を満たした設計にするのか、満たしていない設計のまま建設するのか、お客様にご判断いただいております。

また、弊社住宅は標準で断熱効果の高い外張断熱、サッシはLOW- Eペアガラスを採用しております。

断熱材

結局、住宅購入に影響あるのか?

今回の省エネ住宅適合説明義務化は、設計士へ向けての制度です。

その為、今は住宅購入する際お施主様へ直接的な影響はありません。

しかし、3年後の2025年には、住宅の省エネ基準適合が義務化される予定です。

そうなると、初期費用が高くなる等お施主様へ影響が出てくるかもしれません。

しかしそんな心配の方に「こどもみらい住宅支援事業」などでは、補助金制度なども行っております。

これから先、補助金等の制度を賢く活用できるよう、たくさんの情報収集が大切ですので

弊社としては皆様のお役に立てる情報発信を継続的に行なっていきたいと思っております。

FJ DESIGN HOMES